消費者還元事業を含め、キャッシュレス決済をすると様々なポイントがたまることがあります。
楽天スーパーセール等では、お得にポイントがたまるのですが、仕入れ等で使うことも少なくありません。
「クレジット決済で貯まったポイントは確定申告の対象になる?」
「どういう基準で確定申告の対象になるか知りたい!」
「還元ポイントの勘定区分はどうすればいいの?」
この様な悩みを抱えている人のために、今回はせどり等で獲得したポイントが確定申告の対象になるかどうかを解説していきます!
特に、楽天スーパーセールでは多くのポイントがたまりますし、還元されるポイントでせどりの利益を出している人も存在します。
よくわかる解説
※明確な法が定まってないので各人の見解があると思います。詳しくは税理士にお問い合わせください。
Contents
結論:ポイントは確定申告が必要です
まず、結論から先に言うとポイントは確定申告の対象になります。
ポイントせどりをしている人は、日常的にマイル・ポイントがたまることがあり、普段の生活で使っている人も少なくありません。
以前までは”ポイントは非課税”といわれていましたが、事業で生じた分は申告する必要があるので注意しましょう。
しかし、これには条件が存在し、下記の場合に該当した際に確定申告する必要があります。
- 年間20万円分以上のポイントを取得した
- ポイントを1円以上でも使用した
条件として、年間20万円分以上のポイントを取得して、さらにポイントを1円以上でも使用した場合に確定申告の義務が発生します。
取得したポイントというのは、使わなければ効力を発揮しませんし、保有しているだけでは意味がないからです。
具体的な税区分について解説します
ポイントせどりで獲得したポイントは、確定申告の対象になりますが、税区分がそれぞれ異なります。
状況次第では非課税対象になる可能性もあるので、しっかり把握しておきましょう。
私用で税務署に行った際に聞くと、下記の回答が返ってきました。
- 給与所得者:年間20万円以下のポイントなら非課税
- 個人事業主:獲得の有無に関わらず使用した時点で課税対象
原則として、給与所得者の場合は獲得したポイントが、”雑所得”に分類されるので、20万円以下は非課税対象になります。
個人事業主は、非課税の対象にならず、ポイントを使用した時点で課税の義務が発生します。
しかし、20万円分のポイントをどういう経緯で獲得したかにもよります。
例えば、副業のせどりで100万円の利益を出して、利益率15%で15万円の利益が出たとします。
決済時にクレジットカードを使って、5万円分のポイントを取得した場合は、雑所得が20万円以上になるので申告しなければなりません。
ちなみに、申告対象となるのは”使用したポイント分”だけになります!
ポイントの税金についての法整備はされていない
ポイントせどりで獲得したポイントは、確定申告の対象になります。
個人事業主もそうですが、給与所得者の場合でも、年間20万円以上の利益が出て、ポイントを使っている場合は対象です。
しかし、ポイントの税金についての法整備は2020年時点では存在しません。
※法改正がある場合も考えられる
国税庁では、取得したポイントが課税対象になるかどうかを回答しています。
”原則として、確定申告をする必要はありません”と記載している通り、申告の義務はありません。
そのため、獲得したポイントを未申告のまま放置したとしても、法的に咎められることはないわけです。
しかし、世間ではキャッシュレス・消費者還元事業が行われており、日本はキャッシュレス化の一途をたどっています。
そういう状況が続けば、マイルやポイントをもらう人が増えてくるので、ポイントそのものに金銭価値が生じる可能性も出てきます。
※現状では使ったときにしか効力を発揮しない
そのため、具体的な法整備が整っていない今でも、法律が制定された時のことを考えて、しっかり備えて申告しておくと良いでしょう!
ちなみに、確定申告をして、国税庁から「所得税の申告義務はありませんよ」と判断された場合は、申告しすぎた分だけを還付金として受け取ることができます。
払いすぎた分が返ってくるなら、申告したところでデメリットはありませんよ!
むしろ未申告で追徴課税を取られてしまうと、デメリットしかありません!笑
ポイントせどりの有効なポイントの使い方
ポイントせどりで獲得したポイントですが、状況次第では確定申告の対象になることがわかりました。
法整備はされていないものの、今後規制される可能性もあるので、課税対象者は申告したほうが良いです。
申告漏れしてしまうと、追徴課税を支払わなければならない場合もあり、何かと不便ですよ!
そこで、申告漏れをしないためにも、ポイントせどりの有効なポイントの使い方を解説します。
- ポイントせどりの仕入れに使う
- カードの支払いに使う
この二つを意識して使えば、申告漏れはありませんし、効率よくポイントを使うことができますよ!
それに、ポイントせどりで生じたポイントは、使わない限りは申告の対象にはなりません。
むしろ、ポイントせどりをしている人はポイントを使わないと意味がありませんよね…笑
その辺もしっかり押さえながら、ポイントを効率よく使う方法を解説していきたいと思います!
ポイントせどりの仕入れに使う
まず第一に、ポイントせどりで獲得したポイントはせどりの仕入れに使いましょう。
仕入れに使うことで、下記のメリットが生じます。
メリット
- キャッシュフローが良くなる
- 利益を上乗せできる
- 申告漏れがなくなる
まず、第一にキャッシュフローが良くなるという点です。
例えば、ポイントせどりで獲得したポイントが5万円分あるとします。
10万円分の商品を仕入れる際に、10万円を手出しで出すのと、5万円分のポイントを使ってから支払うのでは、後者のほうが仕入れ値が少額で済みます。
「ポイントを使うと税金が高くなる」という人もいますが、事業でポイントせどりをしているなら、計上したほうが身のためです。
次に、普段仕入れられないものを仕入れられるという点。
ポイントせどりで獲得したポイントは、商品の割引で購入することが可能です。
例えば、こちらの商品を仕入れる場合。
市場価格とほとんど変わらない値段で販売されているので、本来ならスルーしてしまう商品です。
しかし、1万円分のポイントを使って割引をした場合、約12,000円で仕入れることができます。
モノレートグラフを見ると、平均で20,800円程度で取引されています。
手数料を差し引いても、ポイントを使った分だけを利益として上乗せすることができます。
こちらは極端な例ですが、元々利益になる商品が楽天等で販売されている場合、決済時にポイントで購入すれば、ポイント分をそのまま利益として計上することが可能です!
1万円分の商品を仕入れて2万円の売り上げが出た場合を例に、ポイントの使用の有無で解説します。
※ポイントは1万円分使うものとする
- ポイントなし:売上2万円-仕入価格1万円-諸手数料3,000円=7,000円
- ポイントあり:売上2万円-仕入れ価格0円-諸手数料3,000円=17,000円
ポイントなしで仕入れた場合は、仕入れ価格が1万円かかりますが、ポイントを全額使って仕入れれば仕入れ価格はかかりません。
諸手数料のみを差し引いたものを、そのまま利益として計上することができるわけです!
課税対象といわれても、売り上げで計上することができるので、申告漏れの心配はなくなります。
補足:プライベートで使うのは控えるのがベスト
節税の名目で、ポイントせどりでたまったポイントを、プライベートで使用するという人もいるようです。
しかし、サモハンは個人的にはおすすめしません…
公私混同していると、どこまでが課税対象なのかわからなくなりますし、グレーゾーンだからです。
プライベートで使う人は、”せどりの仕入れで使うと経費が割引されるから”という理由で、税金が高くなることを危惧しているようです。
当然、そういう意見もありますし、理にかなっていると思いますが、事業としてポイントせどりをしているなら、しっかり申告はしたほうが良いでしょう。
中には、このようなギフト券に交換する人もいるみたいですが、どうせ使用するならポイントせどりで使ったほうが良いと思います!
実際、ビジネスでポイントをためていない人は別ですが、ポイントせどりをしているなら、プライベートとごちゃごちゃしないためにも、事業用のみで使うようにしましょう。
カードの支払いに使う
楽天ポイントせどりをしている場合は、楽天カードで仕入れをしていると思います。
特に、楽天スーパーセールの時はポイント還元率も高く、SPU倍率が最大に上がっていると、効率よくポイントを貯めることが可能です!
仮に、楽天ポイントせどりをしている場合は、カードの支払いをポイントで代用することができます。
仕入れでポイントを使うのも良いですが、その都度支払わなければならないので、正直面倒です。
そういう人は、カードの支払いでポイントを使ってしまえば完結します。
一瞬で支払うことができますし、手間もかからないのでオススメです!
使用したポイントは、楽天カードの明細で確認することができますし、その分だけを確定申告の際に挙げれば良いだけの話です。
しかし、ポイントの期限が短期間しかない場合は、優先してポイントを使うようにしましょう!
せどりの備品購入に使うのは控えたほうが良い
せどりをしていると、備品を購入する機会もあると思います。
具体的なもので言うと、下記が挙げられます。
- 梱包時の段ボール
- はさみ
- ガムテープ
- 封筒
これらは経費として計上することができるので、ポイントは使わないほうがベストです!
必要経費として挙げられるものを、ポイントを使って購入してしまうと勿体ないですからね!
それこそ節税をするためには、必要経費となる部分にはポイントを使わずに、せどりの際に仕入れをするときに使うと良いでしょう。
プライベート用で使うと、形状が面倒ですし手間がかかります。
ポイントせどりを事業として行っている場合は、しっかり利益に計上したほうがおすすめです!
まとめ
ポイントせどりで獲得したポイントが、確定申告の対象になるかどうかということを解説しました。
申告の対象になるものの、国税庁では具体的な法区分がないので、未申告でも咎められることはありません。
しかし、それはあくまでも表面上の話であり、水面下ではポイントに対して明確な法区分を行おうと、日々検討されています。
そのため、現時点では未申告でも問題ないにしても、事業所得・雑所得等で課税対象になる可能性もあるので、申告はすべきです!
特に、事業としてポイントせどりをする場合は、獲得したポイントが利益になるので、申告するのは当たり前です。
よく、「確定申告をしなくてもバレませんよね?」という人がいますが、納税は国民の義務です。
稼いだ利益に所得税がかかるのは当たり前なので、しっかり申告は行いましょう。
経費削減の名目で、プライベートで使う人もいるみたいですが、公私混同はごちゃごちゃになるだけです。
グレーなことをやってモヤモヤするくらいなら、正々堂々としたほうが良いですよ!